一人暮らしの高齢者がやるべき対策についてお伝えします。近年、増加が続く一人暮らしの高齢者には、さまざまなリスクがあるため、有効な対策や支援サービスについて知りたい、という方も多いのではないでしょうか。リスクを理解して、事前に備えておくと安心です。一人暮らしの高齢者がやるべき対策と役立つ支援について、詳しく紹介します。
高齢者が一人暮らしをできる年齢の目安
高齢者が一人暮らしできる年齢の目安について解説します。
高齢者が一人暮らしできる年齢は男性72歳、女性75歳が目安
日本での健康寿命は、男性72歳、女性75歳です。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく自立した生活が送れる期間を指します。
一方で、日本の平均寿命は、男性81歳、女性87歳です。健康寿命を迎えた後、平均寿命までの男性約9年間、女性約12年間は、医療や介護を受けながら生活することになります。
健康で自立した生活をできるだけ長く送れるように、病気の予防と早期発見を心掛けるとよいでしょう。
独居高齢者がやるべき対策
独居高齢者がやるべき対策は、以下の通りです。
・看病や介護の対策
・認知症リスクの対策
・身元保証人の確保
・財産管理の対策
それぞれ解説します。
看病や介護の対策
独居高齢者は、看病や介護する人が近くにいないため、病気の発見が遅れることもあります。本人が病気に気付かないまま進行し、重篤化する可能性もあるため注意しましょう。
認知症リスクの対策
認知症は、自分では気づきにくい病気です。同居の家族がいれば変化に気づくことができますが、一人暮らしの高齢者は認知症に気づかないまま生活が困難になるケースもあります。
身元保証人の確保
病院への入院や介護施設への入所、賃貸契約では、身元保証人が必要なケースがほとんどです。身元保証人は、家族や親族に頼むのが一般的です。
しかし、身寄りのない高齢者の場合は、身元保証人を確保できないケースも少なくありません。身元保証人は、患者本人が入院費や手術費を支払えない場合は、病院から支払いを求められます。
また、緊急連絡先として病院から緊急の連絡を受けた際には、病院に駆けつける必要があるため、負担がかかります。
財産管理の対策
身寄りのない高齢者は、財産管理の対策が必要です。元気なうちに財産管理を第三者に委託できる財産管理委任契約の活用も有効な手段です。
足が不自由なので外出が困難なため預金の引き出しや費用の支払いをお願いしたい、将来的に施設に入所するので今から信頼できる人に財産管理を任せたいなど、財産管理委任契約は判断能力が十分な人でも契約を締結できます。
一人暮らし向けの支援サービスを紹介
一人暮らしの高齢者向けの支援サービスについて、詳しく紹介します。
行政サービス
住んでいる地域によって異なりますが、各自治体では高齢者のためのさまざまな支援サービスが提供されています。無料で受けられるサービスもあるため、積極的に利用するとよいでしょう。
成年後見制度
成年後見制度とは、高齢者や認知症、障害など、さまざまな理由で判断能力が低下している人の財産を保護するための制度です。家庭裁判所によって選出された成年後見人が財産管理をサポートしてくれます。成年後見制度は、取消権が認められているため、不利益な契約を締結したとしても契約の取消が可能。
そのため、認知症対策としても有効です。事前契約によって、高齢者の日常生活や医療、介護など支援することもできます。成年後見制度は法定後見と任意後見の2種類。本人の判断能力が十分でない状態では、法定後見のみが対象です。任意後見は、認知症などによる判断能力の低下に備えたい方に向いています。
身元保証サービス
身元保証は、介護施設への入所や病院への入院、賃貸契約の際に必要です。身元保証人には、緊急時のトラブル対応や入院費、手術費の肩代わりなどの役割があるため、大きな負担がかかります。
遠方に住んでいる家族に頼みにくかったり、依頼したけど断られたり、身元保証人を確保できないという方におすすめのサービスです。
終活サービス
一人暮らしの高齢者向けの終活サービスもあります。見守りサービスや葬儀の生前契約など、サービス内容はざまざまです。身寄りのない高齢者は、自分の死後に必要な事務手続きについても考慮しましょう。一般的に死後の事務手続きは、引き受けます。
しかし、身寄りがない場合は、死後に発生する事務手続きを第三者に委託する死後事務委任契約が必要です。元気なうちに自分が希望する内容で契約できるのが特徴です。
まとめ
この記事では、一人暮らしの高齢者がやるべき対策と役立つ支援についてお伝えしました。高齢者が健康で自立した生活が送れる年齢の目安は、男性72歳、女性75歳と言われています。
家族や頼れる人が近くにいない独居高齢者には、さまざまなリスクがあるため事前の対策が必要。一人暮らしの高齢者向けの見守りサービスや終活サービスなどで手厚い支援を受けることができます。一人暮らしの高齢者で不安を抱えている方は、自分に合った支援サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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